住職アンテナ

STAY HOME 「この時代に生きる 私たちの矛盾」

STAY HOME 「この時代に生きる 私たちの矛盾」

山中伸弥教授が「桜は来年も咲きます。命さえあれば来年見られるんですから!」っと言われておられて、そうだよね!と思うと同時に、、

親鸞聖人の「明日ありと 思う心の仇桜 夜半に嵐の 吹かぬものかは」の和歌を思い出しました。

この和歌は、親鸞聖人が9歳の時、仏門に入られる決心をされ天台座主である慈円和尚を訪ねましたが、すでに夜で9歳の子供では疲れているだろうとの配慮から、「明日の朝に得度の式をあげましょう」と言われた時、聖人が詠まれたと伝わっている和歌です。

この和歌の意味は、「今美しく咲いている桜を、明日も見ることができるだろうと安心していると、夜半に強い風が吹いて散ってしまうかもしれない」という意味で、親鸞聖人は、自身の命を桜の花に喩え、「自分の命は明日あるかどうか分からない有限な命です。だからこそ仏門に入り、無限なるいのちに目覚め、この只今に、生まれた意義と生きる慶びに出遇いたいのです」との思いが込められています。

この新型コロナウイルス感染拡大防止のため、外出自粛は当然のことですが、このような深刻な状況だからこそ、長生きすることが幸せなのか、貧乏になること、老いること、病むこと、死んでいくことが本当に不幸せなことなのかをしっかりいただきなさいと、私自身が問われていることを感じました。

「この時代に生きる 私たちの矛盾」 ジョージカーリン

ビルは空高くなったが 人の気は短くなり

高速道路は広くなったが 視野は狭くなり

お金を使ってはいるが 得る物は少なく

たくさん物を買っているが 楽しみは少なくなっている

家は大きくなったが 家庭は小さくなり

より便利になったが 時間は前よりもない

たくさんの学位を持っても センスはなく

知識は増えたが 決断することは少ない

専門家は大勢いるが 問題は増えている

薬も増えたが 健康状態は悪くなっている

飲み過ぎ吸い過ぎ浪費し 笑うことは少なく

猛スピードで運転し すぐ怒り

夜更かしをしすぎて 起きたときは疲れすぎている

読むことは稀で テレビは長く見るが

祈ることはとても稀である

持ち物は増えているが 自分の価値は下がっている

喋りすぎるが 愛することは稀であるどころか憎むことが多すぎる

生計のたてかたは学んだが 人生を学んではいない

長生きするようになったが 長らく今を生きていない

月まで行き来できるのに 近所同士の争いは絶えない

世界は支配したが 内世界はどうなのか

前より大きい規模のことはなしえたが より良いことはなしえていない

空気を浄化し 魂を汚し

原子核を分裂させられるが 偏見は取り去ることができない

急ぐことは学んだが 待つことは覚えず

計画は増えたが 成し遂げられていない

たくさん書いているが 学びはせず

情報を手に入れ 多くのコンピューターを用意しているのに

コミュニケーションはどんどん減っている

ファーストフードで消化は遅く

体は大きいが 人格は小さく

利益に没頭し 人間関係は軽薄になっている

世界平和の時代と言われるのに 家族の争いはたえず

レジャーは増えても 楽しみは少なく

たくさんの食べ物に恵まれても栄養は少ない

夫婦でかせいでも 離婚も増え

家は良くなったが 家庭は壊れている

忘れないでほしい

愛するものと過ごす時間を

それは永遠には続かないのだ

忘れないでほしい

すぐそばにいる人を抱きしめることを

あなたが与えることができるこの唯一の宝物には 1円もかからない

忘れないでほしい

あなたのパートナーや愛する者に「愛している」と言うことを 心を込めて

あなたの心からのキスと抱擁は

傷をいやしてくれるだろう

忘れないでほしい

もう逢えないかもしれない人の手を握り

その時間を慈しむことを

愛し 話し あなたの心の中にあるかけがえのない思いを分かち合おう

人生はどれだけ呼吸をし続けるかで決まるのではない

どれだけ心のふるえる瞬間があるかだ