住職アンテナ

やがて死んでいく 君は 今、生きている

やがて死んでいく 君は 今、生きている

先日、息子さんを亡くされたご遺族の葬儀をあげさせていただいた。

亡くなられた息子さんとは、小さい頃から、ご法事や葬儀で会ってきたので、私にとっても彼の死はまさに青天の霹靂だった。

離れがたい最後のお別れの時、両親が冷たくなった彼にほおずりをして、優しい眼差しで声をかけている。
「また会えるからね。」

その時、父母からすればいつまでも子供な彼へ、「いつまでもおまえのこと心配してるよ、いつも一緒だから安心しろ。
大丈夫だよ。」という声が届いた。

「やがて死んでいく 君は 今、生きている」

彼の別れが、彼との出遇いの世界を開くことを願って。