住職アンテナ

忘却

忘却

1945年3月10日、今から77年前の大空襲で東京一帯は焼け野原となりました。
当寺墓所にも数多く火を浴びた墓石や塀が残っているように、大量に投下された焼夷爆弾によって東京の下町一帯は焼き尽くされ、確認された死者の遺体数は約10万5400人におよびます。
戦後を代表する前衛書家 井上有一は、
東京大空襲当日、墨田区の横川国民学校の宿直で、焼け死んで行く幼き教え子達を目の当たりにします。
そして、生粋の軍国少年であった有一が、目を覚まし、鉄砲を筆に持ち替えて立ち上がろうと決意するのです。
赤紙1つで徴収され、九死に一生を得て戦地から帰り、「花火を見ると空襲を思い出すんだ。」と言われていたご門徒の皆さんもずいぶんお浄土に還って行かれました。
平和への揺るぎない決意、何ものにも屈せない命懸けの格好良さの根底には深い深い自責の念が脈打っています。

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