住職アンテナ

悶々は消えず 悶々と共に生きる

悶々は消えず 悶々と共に生きる

浅草の銭湯はいろんな意味で熱い。

熱い湯は、客の回転率を上げるためとも、雑菌繁殖の防止ともいわれますが、、

そんな熱さがクセになってしまった私が、頑張って1番熱い湯に浸かっていると、仙人みたいなお爺ちゃんが入って来られ、自慢気に、
「ここの薬湯に入れば大抵の傷は治って消えちゃう! 1年経ったような傷は難しいけど。」と言われた。

私は「これは入浴剤が入った、ただの熱い湯ですよ!」とは言えず、
「じゃ、あの人の紋紋も消えちゃいますね?(笑)」と聞くと、

仙人曰く、「あの入墨は1年たってるからな〜。」

こんなやりとりから、『正信偈』の、
「梵焼仙経帰楽邦」(仙経を焼きすてて 弥陀の願いに帰す)の文を思い出す。

これは、
曇鸞大師が、長生不死の法である仙人の経を焼き捨て、阿弥陀仏の願いに帰依されたとの意で、

老病死を遠ざける技術だけではなく、老病死をうけとめる智慧がなければ、人は生きることの苦悩を越えられない。
そして、老病死をうけとめる智慧こそが本当の仏法であり、お念仏の教えなのだと伝えられている場面。

私にも、
脱衣所ではすでに、仙人から授かった教えは水に流し、怪我した時には風呂は避け、キズパワーパッドを信じて生きようとかたく誓う場面となりました。

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